学校 表札の補修

表札1.jpg

この学校の創設者が書いた

思い入れのある表札です

板はケヤキと思われます

2600*600の立派なサイズです

学校が新築されたのを機に

消えかかった文字の復元と

板をきれいにしたいという学校の意向に

応える お仕事です

 

表札2.jpg

板をきれいにする前に

文字を縁取り保存し

輪郭を見失わないように

コケ、カビ、排気ガスの汚れ

シミを取り除き

サンドペーパーで表面を整えます

 

表札3.jpg

ここまでにするのに2日を要しました

板をしっかり乾燥させるために

しばらく放置します

 

表札4.jpg

とのこ(泥みたいな)を塗りこみ

拭き取ります

この時、木が持っている特有の色を

引き出すために染料も混ぜます

やりすぎると 後悔するので

ちょっとです

 

表札5.jpg

こんな感じになります

この場合上の方に色が濃く出ているので

次の工程で修正します

次はサンディングを吹き付けます

 

表札6.jpg

左上のカップに入っているのがサンディングです

ここでも少し着色をします

木の濃く出る色を少し抑えました

これで吸い込みは止まります

 

表札7.jpg

文字入れです

いっぺんに書くと取り返しがつかないので

クリアーを混ぜ慎重に輪郭を確かめながらの

作業です

 

表札8.jpg

出来上がりです

オリジナルの書体を

払い、溜め、跳ねなどの要素で

1ミリも変えない努力をしました

またレタリングにならないよう

筆の動きを感じる色の調整をしました

アクリルウレタンの塗料ですが

杉を焼いた墨をよく混ぜ質感にこだわりました

 

表札9.jpg

結局 筆を使いました

かすれは赤テン筆で

エッジは平筆で

筆は本当に使い慣れたものが一番です

 

納品したとき 皆さんが 学園長の字だと

笑顔で褒めてくれたのがうれしかったです

 

この男らしい字を感じながら仕事ができて

幸せです